コンテンツへスキップ

カート

カートが空です

記事: ドリームファーマーズJAPAN farm letter vol.50

ドリームファーマーズJAPAN farm letter vol.50
大分県

ドリームファーマーズJAPAN farm letter vol.50

 土と創る.50 安心院ドライフルーツ (PDF版ダウンロードはこちらから)

果物本来の自然な⽢さを凝縮。純国産・無添加ドライフルーツ

  果実を乾燥させただけのヘルシーな食べ物というイメージのドライフルーツには、品質を保つために防腐剤や保存料などの食品添加物が使用されていることが多い。⻑期保存を目的に砂糖が使われ、塊にならないように表面がオイルコーティングされているので、本来の風味が損なわれている。
 自ら果物を栽培し、添加物や甘味料をいっさい使わずに、素材のおいしさを凝縮したドライフルーツに加工、販売まで行うドリームファーマーズJAPAN。共同代表の宮田宗武さんと安部元昭さんは宇佐市のブドウ農家だ。
 大分県宇佐市安心院は西日本有数のブドウ産地。四方を山に囲まれた霧深い盆地の町で、寒暖差の大きい気候や風土が良質なブドウを育んでいる。二人は果樹栽培や加工などの商品開発にとどまらず、ブドウ狩りをはじめとする体験やカフェの運営、イベントの実施、安心院発祥の農泊などに積極的に取り組み、新事業の「古民家ベース・龍王」が今年スタートした。
 地元の農産物と地域の魅力を広く伝えていくことを通じ、ブドウ産地の個性を存分に活かしながら、農村に静かな革命の風を吹かせている。


宮田宗武さん(左)と安部元昭さん。7〜10月頃までブドウ狩りを楽しめる自社農園に、ブドウ狩りの休憩やイベント会場として利用される「農村BASE」、販売・飲食店の「プラスSHOP」「プラスCAFE&BAR」を併設している

→ドリームファーマーズJAPANの商品ページへ


農村経営で村の中核企業へ

【ドリームファーマーズJAPAN 宮田宗武さん】

経済活動を継続させる仕組み作り

 昭和40年頃に400軒ぐらいだった安心院のブドウ農家はいま、100軒を切っている現状です。青果を売るために家族が一時期だけ無理をする環境では暮らしに無理がきて、やめてしまう。一生最前線で働かなければいけない状況は無責任だと思います。地域のなかで経済活動が継続していく仕組み作りがポイントです。
 ブドウ農家は自分の作っている換金作物だけを増やそうという動きが強く、食全体をどうにかしようという考え方をしません。家族が困らない程度に畑で作ったものを売るのは簡単ですが、これからの時代、地域や農村が破綻するのを食い止めるには農業経営ではなく、農村経営を考えないといけません。
 さらに、自己依存型の顧客管理も重要です。商品の背景が見えるように売ってくれるバイヤーさんが少なくなり、レジも自動化されている現状では、デザイン性はともかく、Z世代が商品を手に取ったときに思いが伝わるように、説明を表に書いた新しいラベルに変えました。


古民家事業への挑戦

農村全体の営みをデザインするにはコンテンツが必要です。農泊が30年前に始まったときは副業として空き部屋に人を泊めるスタイルでした。コロナでゼロになってしまったお客さんを元に戻していくには新しいスタイルの農泊が求められています。
 耕作放棄地と空き家をセットで考え、ビジネスにしていこうというのが古民家事業の起点です。副業的な位置づけの古民家・カフェ・6次産業事業は、経営の柱として成立していくと思います。
 古民家事業はほんとうに難しく、集客に自分の時間のすべてを費やし、あがいて、ようやく景色が違って見えてきています。古民家事業は農業経営ではなく、農村経営です。農村経営にシフトして、村の中核企業になっていきたいですね。


10年後に10億の売上を目指す

いいブドウを作っていくことは言う必要もないぐらい当たり前のことで、その上で何をするか。YouTubeなどで作り上げたファンを確実に安心院にとどめ、強いお金を落としてもらう。安心院に人を呼び込む取り組みを全力投球でやっていかないと、移住者も増えません。
 「言っていることは偉いけど、売上が1億もない」と思われたくないので、10年後に10億ぐらいの売上を目指したいものです。農業は天候に左右されて安定していないので、1億を農業、9億の利潤を他で回していくような仕組みを作らなければいけません。抽選やくじ引きで宿泊者を決めるぐらい、古民家事業を大きくしていけたらいいですね。


地域の課題を解決して安心院を活性化

【ドリームファーマーズJAPAN 安部元昭さん】

何も足さず、素材を生かす

 味がいいのに形が不揃いな地域の規格外のブドウを加工して付加価値を付けて売り、農協から出すブドウの方は秀品率をよくしてブランドを上げるというビジネスモデルで、ドライフルーツの製造加工を始めました。最初は理解されずにモノが集まらなかったので、自分たちのブドウを使い、次第においしいブドウを作れる農家さんを選んで直接声をかけ、お願いしていきました。
 外国産ドライフルーツはオイルコーティングされて添加物が入っているものが多いのですが、せっかく僕ら農家が作る国産ドライフルーツは素材そのものを味わってほしくて、添加物は使用しないと最初から決めていました。砂糖を入れたら楽という感覚はなく、どう乾燥させ、きれいに仕上げるかに試行錯誤しました。
 ブドウとミカンとトマトがメインです。ブドウは夏から秋、ミカンが冬、トマトが春前ぐらいからです。梨やパイナップル、キウイフルーツなども試していますが、軸となるのは地元のブドウです。


農家のチカラで農村イノベーション

 イベントやバーベキューなどを行うイベント会場が「農村ベース」で、農村や地域のなかで情報や人が集まったり、自由に発信したりする起点となる基地です。
 ブドウ狩りの後は園内のカフェでゆっくり過ごしてもらえます。ブドウ畑の景色など、僕らが普通だと思っていることが意外と価値があるものだと気づかされました。大勢の人にこの場所を知ってもらい、安心院を訪れるきっかけになるよう、イベントなどを開催しています。
 ドリームファーマーズの経営理念は「農家のチカラで農村イノベーション」です。地域が元気になるようなこと、農業がかっこよくて憧れる職業になるような面白いことをして大きく成長しなくてはいけないと気分を一新、海外への販路を維持することも意識して、2017年に社名にJAPANをつけ加えました。


地域商社として成長する

 事業の切り分けとしては、青果の1次産業事業、ドライフルーツの製造事業、農村ベースを軸にしたカフェや体験事業、最近始めた宿泊事業の4つです。ブドウの面積が大きく増えていくので、僕は1次産業をがんばっていて、6次産業や加工に長けている共同代表の宮田は、6次産業と宿泊事業を担当しています。体験事業は二人で一緒にやっています。
 今年の初めに自分の人生の一つの目標として、ブドウ産業を盛り上げると宣言しました。皆さんがもっとブドウや食べ物に興味を持ち、国産、安心院産、ドリームファーマーズ産の商品を選んでくれるようになればいいなと願っています。
 会社が地域商社のように、地域の困りごと相談所として、課題解決していくイメージを持っています。自分たちだけにしかできない、まだ見えない新しいものの形を作っていきたい。安心院に元気になってほしいし、さらに成長して、困ったらドリームファーマーズに聞こうという存在になれたらすごく嬉しいですね。


ドリームファーマーズJAPANの事業

プラスSHOP・プラスCAFE&BAR

自社のドライフルーツやコンポートなどの販売店と、
オリジナルメニューを開発して提供する飲食店

農村BASE

婚活・食育・BBQ・音学会・異業種交流会・
農村ベース大学などに利用されるフリースペース

古民家BASE・龍王

大自然に囲まれた古民家を和モダンにリノベーションした、
1棟貸切り(5名利用)の宿泊施設

ドリームファーマーズちゃんねる

登録者数が2万人を突破している人気YouTube
「ドリームファーマーズちゃんねる」では
旬のブドウ情報などを毎日配信中。
コンテンツが積み上がるストックビジネスのため、収入は年々上がっている。
YouTube効果で新規の顧客も生まれている


Read more

清水ファーム farm letter vol.50
青森県

清水ファーム farm letter vol.50

 土と創る.49 月見野いちご (PDF版ダウンロードはこちらから) ほどよい甘味と酸味が魅力 希少な有機JAS夏いちご  生食での消費量は日本が世界一だと言われているいちご。日本での生産量は年間約20万トンで、そのほとんどは11月から翌年4月までに温室型で促成栽培される。5月から10月の生産量は1万トン以下で、わずか5%に過ぎない。冬から春に実をつける一季成りいちごに対し、夏から秋にも実...

もっと見る
櫛野農園 farm letter vol.51
大分県

櫛野農園 farm letter vol.51

 土と創る.51 院内ゆず (PDF版ダウンロードはこちらから) こだわりの無農薬栽培が生む、香り高く風味豊かなゆず加工品  ゆずは他の柑橘類と違い、温暖な海岸地帯よりも寒暖差が大きい内陸の山間部に産地が多い。大分県宇佐市院内町では町長らの要請で日本初のゆずの産地化が始まり、櫛野正治さんたちゆず農家の地道な努力が実を結び、「柚子といえば院内」といわれるほどの西日本有数の産地を誕生させた。 ...

もっと見る